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Posted by ミリタリーブログ at

2021年07月23日

各社SR47のマガジンキャッチ問題

SR47


画像1.JPG大変ご無沙汰しております、皆様お元気でしょうか?最近はついつい、Twitter(@bemax_japan)ばかり更新してしまい「工房ダイアリー」の更新が疎かになっておりました。本日はお困りの方も多いと思われる「各社SR47で発生するマガジンキャッチ問題」です。昨今は色々な海外メーカー(HurricanE、BOLT/金剛、EVIKE、KRYTAC、等)からSR47の電動ガンやコンバージョンKITが販売されていますが、どのメーカーであってもSR47はマガジンキャッチに問題を抱えている事が多いです。代表的なのは「マガジンが抜ける」、「マガジンが固くて入らない」、「マガジンをセットしようとしたらマガジンキャッチが外れた」がSR47あるあるですね。マガジンキャッチの構造は各社共、元祖であるHurricanE(ハリケーン)製のコンバージョンKITをトレースしているので、問題点もそのまま継承されてしまったようです。
画像2.JPG

画像3.JPG「マガジンが抜ける」という症状はマガジンキャッチスプリングのテンションが弱い事、マガジンキャッチの「カド」が丸まっていて、マガジンの「ツメ」への食い付きが弱い事、の2点が原因になっています。この場合はマガジンを揺すると外れたり、マガジン背面を前方に軽く押すだけでパコッと外れてしまいます。今まで色々なメーカーのSR47を拝見してきましたが、ほとんどのSR47でこの症状は出ますね(泣)効果的な改善策はマガジンキャッチスプリングのテンションアップ、マガジンキャッチの「カド」を立ててマガジンにガッツリと喰い込ませる、の2点です。この作業を行う事で、揺すっても押しても叩いてもド突いても(!)、マガジンは抜けなくなります。

画像4.jpgマガジンキャッチスプリングの交換や「カド」を立てる為には、ロアーレシーバーからマガジンキャッチを一旦外す必要がありますが、スプリングの足が突っ張った状態でセットされているので外すのがなかなか難しいです。たぶん、この部分で断念された方も多いのではないでしょうか...。当店では取り外し用の便利ツールを製作(単にピアノ線を曲げたモノですが)して、外しています。このツールがあると「突っ張ったスプリングの足を浮かせつつ、マガジンキャッチを上にズラして外す」という事が簡単に出来ます。
画像5.JPG「マガジンをセットしようとしたらマガジンキャッチが外れてしまった」というトラブルもSR47では良く起こります。フィールドでこの症状が発生すると、高い確率でマガジンキャッチスプリングとシャフトは見つからない悲劇が訪れます。ちなみに当店ではスプリングとシャフトは製作可能ですので途方に暮れている方はご連絡下さい。尚、スプリングとシャフトは紛失しても製作可能ですが、さすがにマガジンキャッチ自体の製作は出来ませんので、マガジンキャッチだけは何としてでも回収して下さいね。ご存知の方も多いと思いますがAK系のマガジンは各社で各部寸法(厚み、前後長、ツメの形状)がビミョ~~に異なります。SR47に於いて重要になるのはマガジン背面の「ツメの横幅」です。この画像はマルイ製マガジンですが、「ツメの横幅」は約11.5mmあります。海外製マガジンの中には、この「ツメの横幅」が細い物も多数存在します。「ツメの横幅」が細いと、どうなるかと言うと...
1;マガジンをセットしようとすると、「ツメ」がマガジンキャッチ側の穴(または凹み)にスッポリと入り込んでしまう。(ツメの横幅が一定以上あれば、この穴の中には入り込みません)
2;穴に入り込んでしまったツメがマガジンキャッチを上方向に蹴り上げる。
3;マガジンキャッチがロアーレシーバーから外れる。
4;スプリングとシャフトが見つからずに途方に暮れる。
という流れになります。便利ツール無しだと、外すのが難しかったマガジンキャッチも、この状況(マガジンが中途半端にセットされていて且つ、ツメが穴の中に入り込んでいる状態で上方向に蹴り上げられる)だと結構あっさりと外れてしまうんですよね。各部の寸法が運悪く一致してしまうと絶妙なコンビネーションが成立して、まるで最初からその様に設計されているかの如く、マガジンキャッチが上方向へ蹴り上げられて外れます...。これがSR47界隈で有名な「立花兄弟のスカイラブHurricanE現象」と言われている症状です。(嘘ですwww)残念ながら、この症状に対しては効果的な改善策はありません。メーカー側でマガジンキャッチ側の穴(または凹み)の横幅を狭くしてくれると解決するんですが、そうなるとスプリングのコイル部の幅も変更する必要があったり、その過程でより一層スプリングテンションが弱くなったりする可能性もあるので難しいのかも知れませんね。でも原因が分かってしまえば対策は可能です。お持ちのAKマガジンの「ツメの横幅」を計測して、マガジンキャッチ側の「穴(または凹み)の横幅」よりも細い場合はSR47には使わない。というのが現実的な対策です。現在、市場には色々な種類のAKマガジンが多数販売されています。各社で寸法は微妙に異なるのでSR47をお持ちの方は一度、ご自分のAKマガジンの「ツメの横幅」を計測してみてはいかがでしょうか。


<KEN>


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2018年10月14日

ZETA-LAB製モシンナガン カスタム作業

モシンナガン


1b.jpgお客様からのご依頼でZETA-LAB製モシンナガン(ガスボルト)の「着脱式マガジンへの構造変更」、「グリーンガス(CO2)方式への変更」、「ストック内にグリーンガスレギュレーターを内蔵」、「木製ストックのニスを剥離した後、オイル仕上げ」、「命中率向上、初速の安定化」という作業を行いました。本体をお持ちの方や構造をご存知の方であれば、この内容を聞いただけでお腹イッパイになりますね(笑)

2.JPGまずは非常に評判が悪いヒモを引っ張る方式のマガジン構造を一新します。当店で作るからにはしっかりした物を作りたいので、マガジン着脱の操作性やマガジンの確実な位置決めの為、色々なパーツを新設してあります。拘ったのは「マガジン自体がカチッとロックされる事」、「フタに頼らずにマガジン位置がしっかりと定位置で固定される事」、「マガジンキャッチを操作した際にストンと抜ける事」の3点です。最近は外人さんが作った3Dプリンター製作の着脱式マガジンKITも販売されていますが現物を拝見させて頂いた限り、一般の方があのKITを使って問題無く使える様にするのはかなり難しいと思います。そもそもマガジンスプリングやBB弾を押し上げるフォロアー等の重要パーツはKITに含まれておらず「そこらへんは自分で何とかしてね」的な内容ですし、マガジン自体の固定機能も無くフタに頼った構造なので、相当色々な部分に手を加えないとマトモに給弾しないだろうなー、と...。

3.JPG閑話休題。着脱式マガジンはアクリル板からの削り出しで製作した豪華仕様です。強度抜群なので落としても踏んでも投げても(?)、壊れる事はまずありません。
4.JPG

5.JPGゼロからの設計なので当然ですが各部の寸法は自由に決められます。マガジンスプリングは入手が容易な一般的な寸法が使えるようにしてあります。フォロアー(緑色の物体)は懐かしの「MGC製スーパーグレッツBB弾」を加工してフォロアーとして生まれ変わってもらいました。30年の時を経て、モシンナガン用のマガジンフォロアーとして復活です!BB弾と言えど捨てないで取っておくと良い事あるんですね~。(そういえばワタクシのキャリコM1000はどこに行ったんだろうか...)

6.JPG装弾数を増やす為、ダブルカアラム(複列式)仕様で製作しました。

7.JPGAKの様にマガジン前方部分を引っ掛けてから本体内にセットすると、マガジンキャッチを新設してあるのでカチッとロックされます。
8.JPG
9.JPG

10.JPGマガジンエジェクト用のスプリング(トリガーリターンスプリングと兼用)も追加してあるのでマガジンキャッチを解除するとスプリングテンションでストンとマガジンが排出されます。せっかく着脱式マガジンを製作するので、このあたりの操作性にはかなり拘りました。

11.JPGグリーンガスレギュレーターをストック内に内蔵する為、木製ストックを加工します。さすがに通常サイズのレギュレーターは寸法的に不可能なのでミニボンベ用のレギュレーターを使います。この加工はオイル仕上げ前に行ったのでストックの色がまだ赤い(ニス)ですね。
12.JPG

13.JPGいきなり完成状態です!オイル仕上げも終わってます(笑)ガスシリンダー下面にホース取付口を新設し、ストック後端までホースを通します。コッキングの際のシリンダーストロークを考慮してスパイラルホースを一部に使い伸縮可能にしてあります。
14.JPG

15.JPGストック内にレギュレーターを内蔵させる為、「レギュレーターの外径切削」、「ホースの角度を変更するエルボーの新規製作※ローハイト仕様」も行いました。尚、ボンベ交換の為にレギュレーターを引き出す際には一旦、ホースをレギュレーターから外す必要があります。しかし内蔵状態だとワンタッチカプラー(エアーストップ付)が押せません。そこで内蔵状態であってもワンタッチカプラーが押せる様に金属製ボタンを製作して溶接しました。単なるレギュレーターが、どんどんメカメカしくなってきました。ガスガン好きなこういう見た目に弱いです(笑)
16.JPG

17.JPG長い道のりでしたが、これでよ~やくレギュレーターが内蔵出来ます。パラコードはボンベ交換の際に引っ張り出しやすいかな、という事で付けてみました。
18.JPG
19.JPG

20.JPG今回のレギュレーターは圧力可変式なので、内蔵状態でも六角レンチで微調整出来る様に加工してあります。

グリーンガス仕様にした事で、「初速の安定性が大幅に向上」、「銃口から生ガスを吹かない」、「季節に関係無く安定した性能」等、多くのメリットが生まれます。今回の様にレギュレーター内蔵式ですと、ホースレス状態なので使い勝手も良好です。実はこれら以外にも色々な実射性能向上のカスタムも行いました。内容が多すぎて(濃すぎて)全てはご紹介出来ないのですが「放出バルブのルート拡大」、「ボルトハンドル基部にプランジャーピン追加」、「チャンバー基部へのクッション材追加」、「インナーバレル長の変更」、「インナーバレルスペーサーの製作」、「ノズル延長」、「Vパッキン化」等です。内容が内容なだけに、どなたにでもお勧め出来る作業ではありませんが「究極のモシンナガン」が欲しい!というコアな方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談下さい。

<KEN>

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2018年02月28日

SIG・MCXへの2000mAバッテリー収納加工

MCX


1.JPG久々の完全新規な電動ガン&VFC製造なので質感高し、という事で人気のCYBERGUN製SIG・MCXですがバッテリー収納スペースが狭く特殊なバッテリー(全長が短いセパレート型)しか使えないのが泣き所です。そこで今回は汎用の7.4V/2000mAバッテリー(ミニS互換)が収納出来る加工を行いました。

2.JPGアウターバレル下面をフライス加工でフラットに切削してあります。削り過ぎるとインナーバレルが見えてしまうので肉が残るギリギリを狙います。機能上は何ら問題無いのですが、インナーバレルが見えてしまうとちょっぴりテンション下がるので(笑)切削しただけだと当然、金属の地が出ていますので黒染めで仕上げました。
3.JPG

4.JPGアウターバレル下面を加工する事で7.4V/2000mAバッテリー(ミニS互換)がピッタリと収まります。むしろ、これが純正で良いのでは?という違和感の無さですね。

5.JPG収納時のコツは「ハンドガード着脱の際、ピボットピンを抜かずにハンドガード下面の六角ねじを外す※ステーを本体側に残す」という事ですね。ステーを本体側に残す事で7.4V/2000mAバッテリー(ミニS互換)がストレス無く収納出来ます。

6.JPG


7.JPG今回、寸法確認や収納確認で何回も何回も何回も何回もハンドガード着脱をしていて、ある事に気が付いてしまいました。メーカー説明書だと「ハンドガード着脱はピボットピンを抜いてね」って書いてありますが、どう考えても六角ねじを外してステーを本体側に残す方法の方が楽じゃん!という事に...(笑)ピボットピンを抜く為にはピンポンチとプラハンが毎回必要ですし、ピボットピンを勢い余って全部抜くとアッパーとロアーがガシャ~ンって離れるし、でこの方法はストレスが溜まります(泣)一応、アッパーとロアーの結合が離れない位置でピボットピンは止まる構造にはなっていますが、かなりセンシティブな指先をお持ちの方で無いと、この位置で止めるのは難しいかと。(当然の事ながらワタクシもガシャ~ンな指先でした...)ステーを残す方法であれば六角レンチ1本で済みますので、バッテリーの種類問わず、この方法がデフォルトで良いのではないでしょうか?SIG・MCXをお持ちの方は是非お試し下さい。この方法であればピンポンチもプラハンもセンシティブな指先も不要ですよ。

8.JPG今回はET1製の7.4V/2000mAバッテリー(ミニS互換)を使いましたが収納スペースは結構な余裕がありますので各社から販売されている7.4V/2000mAバッテリーも大抵は収納出来そうです。やはり1000mA前後のバッテリーと2000mAクラスのバッテリーとでは放電特性が全然違います。セミオートのレスポンスもフルオートのサイクルも大幅に向上しますのでSIG・MCXをお持ちの方にはオススメの加工です。
<KEN>


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2017年11月22日

AA-12 カスタム計画(1)

AA-12koubou.jpg
突然ですが、マルイ製電動ショットガンのAA-12をカスタム出来ないかと考えております。とりあえずは
・初速の向上。出来れば90m/s前後は欲しいですね~。但し、耐久性が大幅に低下しては意味が無いのでバランスを見ながら、ですね。
・ターゲットに当たらないHOP弾道の改善。ここは通常の真上からのクッションラバー突き出し方式で良かったのでは?と思うんですが...。
上記の点が構造上の理由なのか、改善の余地があるのか、はじっくり検証したいと思います。何は無くとも、まずは完全分解して各部パーツの検証からですね。
内部構造がかなり特殊ですので、おそらく一筋縄では行かないと思いますが頑張ります。いつもの如く「予定は未定」ですが進展があれば随時、お伝え出来たらと考えております。
尚、続報が全く無い場合は「あ、挫折しやがったな」と思って頂いて、ほぼ間違い無いです(笑)


<KEN>


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タグ :MARUIAA-12

2017年11月17日

DSR1マガジンへの初速微調整機構の追加

DSR-1


dsr1.JPGS&Tから新発売された事で人気再燃のDSR1ですが、残念ながらノーマル時の初速の低さはARES時代と変わりません...。個体差もありますが大抵は45m/s~55m/sあたりが最も多いですね。当店ではARES時代から数多くのDSR1のカスタム作業を行ってきました。

ARES製 DSR-1 カスタム作業
AMP-DSR-1 カスタム作業

非常に細かな個所も多いですし、ケースバイケースな時もあるので、大々的にアピールはしておりませんが、性能向上の為の作業内容の改良や追加加工は随時、行っています。最近の大きな変更点はマガジンへの「初速微調整機構の追加」です。ご存知の通り、DSR1は標準で2本のマガジンが付属しています。過去の工房ダイアリーでも軽く触れていますが困った事に2本のマガジンそれぞれで初速が変化します。初速が揃わない原因も「組まれている放出バルブの寸法がそれぞれ違う」という国内製品では考えられないパターンもありますし、「初速を落とす為のデチューン寸法(ガスルートの内径)が異なる」や「放出バルブの締め込み量の違い※インパクト部分の突き出し量が変わる為」といった微妙な差が原因の時もあります。当店でカスタム作業を行う際は、これらの違いを考慮して2本のマガジンで大幅に初速が変わらない様に仕上げます。リキッドチャージ式ガスガンのマガジンは、ほんのチョットの違いで初速が変わってきますので実はDSR1のカスタム作業で最も大変なのがこの「2本のマガジン性能を揃える」という作業です。この作業を行っていると「もう少しだけコッチのマガジンの初速を上げたい」や「ソッチのマガジンの初速を下げたい」という時があります。この様な「2本のマガジン性能を揃える為、少しだけ初速を微調整したい」という時に役立つのが初速の微調整機構です。カンの鋭い方であればノーマルでは設けられていないマガジン前面の穴で、ピンッと来てる方もいらっしゃいますよね(笑)


dsr2.JPG調整は至って簡単で、アウターケース前面の穴から2.5mmの六角レンチを差し込んで回転させるだけです。右回転させるとガス流量が絞られるので初速が下がります。左回転させるとガス流量が増えるので初速が上がります。あくまでも微調整用なので大幅な調整幅は持たせてありませんが、このほんのチョットの微調整が最後の最後で効いてきます。この加工は本来、当店が作業時に行う微調整用ですが、特性を理解して頂ければお客様にとっても非常に便利な機構と思います。例えば「今度行くフィールドのレギュレーションが85m/s以下と低めなので少し下げておきたい」や「冬場で外気温が低く初速が下がってしまうので、少し上げたい」という場合に有効です。ここ最近、当店で作業させて頂いたDSR1(ARES製、S&T製)には全てこの調整機構は施工済みですが、過去に作業させて頂いた物ですと、行われていない個体もあるかと思います。この場合はマガジンのみ当店へお送り頂ければ¥1.840(マガジン1本の価格)にてアップグレード可能です。ご希望される際はマガジンのみ、当店へお送り下さい。尚、この調整機構は初速向上のカスタム作業を一通り行ったマガジンに対してのみ有効です。ノーマルマガジンはそもそも、初速が出ない様に根本的な部分でデチューンされている為、今回の調整機構を活用しても大幅に初速が向上する事はありません。55m/sが60m/s位に上がる事はあるかも知れませんが90m/sに上がる事はありません。その為、アップグレード作業は過去に当店で作業させて頂いたお客様のみ対象となります。

<KEN>


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2016年07月28日

インナーバレルクリーニングのすすめ その1




1.JPG大変ご無沙汰しております。3月から4月にかけての工房移転のバタバタもあり、なかなか更新が出来ない状態でしたが、最近は大分落ち着いてきました。工房の移転は工作機械や作業台の移動もあり当初、私が考えていたよりも13倍位は大変でした...。もう二度と工房を移転する事はないでしょう(笑)そんな話はさておき、今回はインナーバレルクリーニングのお話です。サバイバルゲームのシーズン真っ盛りの今、ゲーマーの方は発射弾数も飛躍的に増えると思います。インナーバレルのクリーニングは単にバレル内の汚れを除去して本来の弾道性能を維持するという目的以外にも「弾詰まりによる本体側の故障※ピストン、ギア等の駆動系パーツ破損」を未然に防ぐという大事な役目もあります。昨今は完全にバイオBB弾が主流ですが、通常BB弾に比べるとバイオBB弾は柔らかい為、バレル内にBB弾のカスが付着しやすい傾向があります。バイオBB弾の柔らかさに関しては以前、ご紹介しましたので今回は割愛しますので詳細は「こちら」をご参照下さい。付着する量はメーカーによって差はありますが(マルイ製のバイオBB弾が一番少ないですね)、どのメーカーの物でも通常BB弾に比べると少なからず付着する事は避けられません。このBB弾カスは単に弾道性能の低下を引き起こすだけで無く、そのまま放置しておくと「弾詰まり」の原因になります。電動ガンの場合、「弾詰まり」はメカBOX内部の駆動系パーツ破損に直結しますのでギア交換やピストン交換という修理代が高くつくトラブルになりがちです。先日、某メーカーの方とお話をする機会がありましたが修理で送られてくる本体の半分以上は「弾詰まり」が原因による物だそうです。当店にも多くの修理依頼品&カスタム依頼品が持ち込まれますが確かに「弾詰まり」が原因による故障は多いですね。少しでも無用なトラブルを回避して頂ければと思い、今回は当店が行っているバレルクリーニングの方法をご紹介します。まず、バレルクリーニングと一口に言っても大別すると2種類に分けられます。ひとつは今回ご紹介する「本体に組み込まれている状態」でのクリーニング。軽度な汚れであれば、この方法で十分対応出来ます。分解作業も必要無い為、誰にでも行えるメンテナンス方法です。もうひとつは「完全分解してバレル単体」で行うクリーニングです。バイオBB弾のカスはメーカーにもよりますが付着してから時間が経過すると「超!」強力にこびり付きます。その威力は強烈で通常のクリーニングではほとんど落ちません...。このような状態になってしまうとバレル単体にして徹底的なクリーニングが必要になります。(バレル単体でのクリーニング方法は「その2」でご紹介します。の予定です...。)という事で今回は基本となる「本体に組み込まれている状態」でのバレルクリーニングです。まずは必要な物として、クリーニングロッド先端に巻き付けるウエスです。当店ではバレルクリーニングの際には「キムワイプ」を使っています。理系の世界(実験器具の清掃に使用)やラジコン業界(グリップ剤の拭き取りに使用)では、知らない人は居ない位の有名なペーパーウエスですね。ティッシュや布切れと違い、このキムワイプはケバ立たず、毛クズが出ないのが特徴です。インナーバレルはHOP穴の内側に「バリ」が残っている事も多く(特に海外製の純正バレル)、ティッシュ等を使うとこの「バリ」に引っ掛かって毛クズが残ります。クリーニングしたつもりが逆に毛クズを残してしまっては本末転倒です。HOP穴以外の部分でもキムワイプを使うとビックリする位、毛クズが残りません。加えて表面が細かい凹凸形状になっており、汚れを「こそぎ落とす」能力が非常に高いです。最近は大きめのホームセンターでも見かけますし、ラジコン専門店であれば大抵は販売していると思います。特別に高価な物ではありませんので(色々なサイズがありますが、当店で使用しているサイズですと1箱¥150位です)、しっかりとバレルクリーニングしたい方は是非とも買ってみて下さい。(キムワイプの回し者ではありません)

2.JPG誰もが1本は家に転がっているであろう一般的なクリーニングロッドです。ウエスを巻き付ける際に必要なスリットがあれば、十分です。

3.JPGマルイのシリコンスプレーです。当店的にはキムワイプと同じ位、バレルクリーニングには必須のアイテムです。シリコンスプレー自体はホームセンターでも色々な物が販売されていますが、粘度が高い物が多く電動ガンのバレルクリーニングには適さない物が多いです。確かにホームセンターで販売されている物よりも割高ですが、大量に使う訳ではありませんので1本あれば当分は使えます。個人レベルで使うのであれば頻繁にメンテナンスする方でも1~2年は持つと思います。同様の理由で例えエアガン用で販売されているシリコンスプレーであっても粘度が高い物は適しませんのでご注意下さい。高粘度のシリコンスプレーをチャンバーに吹いてしまうと散弾銃の様な弾道になります...。かくいう私も電動ガンが出始めの頃に当時は誰もが持っていたJACの「シリコンクイック」をチャンバーにプシューと吹いて痛い目に遭っています(笑)尚、「5-56」や「WD-40」等のオイルスプレーは厳禁ですのでくれぐれもご注意下さい。樹脂やゴムが劣化して確実に故障します。(これらのオイルスプレーは「その2」で使います)

4.JPGそれではクリーニング作業に入ります。まず最初にチャンバー側からシリコンスプレーをシュッとひと吹きします。大量に吹く必要はありませんので1秒位で十分です。

5.JPG

6.JPG次にキムワイプを短冊状にカットします。幅や長さはこの位が丁度良いと思います。当店の場合は大量に使いますのでスグに使えるように作り置きしています。


7.JPG

8.JPGクリーニングロッド先端のスリットに短冊状にカットしたキムワイプを少しだけ通します。通し過ぎると巻いた後の外径が太くなりバレル内に通らなくなるので、「チョットだけよ」がポイントです。

9.JPG「チョットだけよ」で通した先端を折り返して(抜け止め)、テンションを掛けながら巻いていきます。「右巻き」、「左巻き」どちらでも構いませんが、どっち方向で巻いたのか、は覚えておいてください。ちなみに私の場合は特に意識している訳ではありませんが「左巻き」です。

10.JPG巻き終わったらシリコンスプレーを全体が湿る程度に吹き付けます。

11.JPGこんな感じで全体がシリコンスプレーで湿った状態になればOKです。昔(通常BB弾が主流だった頃)は基本「バレル内は油分ゼロ」が良しとされていました。通常BB弾はカスの付着がほとんど発生しないので、バレル内は極力、油分ゼロにしてホコリの付着を抑えましょう、というのがセオリーだったと思います。当時、各社から販売されていたバレルクリーニング剤も、ほとんどが「脱脂系」の商品でした。(中には「コレ、単なるシンナーでしょ!」的な商品もありましたが...)ところがバイオBB弾の場合は、カスが付着しやすく付着力も強い為、カラ拭きでのクリーニングでは除去しきれません。場合によってはカラ拭きだと余計にカスが発生して逆効果になる場合も多々あります。シリコンスプレーを使う事で付着しているカスが落ちやすくなる事&付着しにくくなる事&再度付着した際のクリーニングが容易になる事、というメリットがあります。バイオBB弾特有の理由により今の時代はバレル内はシリコンスプレーでコーティングした方が良いと当店では考えています。

12.JPG銃口からロッド先端を差し込みます。この時、あまりにもキツい場合は強引に入れないで下さい。巻き付けたウエスの外径を調整して「緩すぎず、キツ過ぎず」の状態にします。電動ガンは構造上、樹脂製のC型クリップでチャンバーとインナーバレルとを結合しています。キツいウエスを強引に突っ込んでグリグリしてしまうと、クリップの結合が負けてしまいインナーバレルがズレます。チャンバー内でインナーバレルがズレると「HOPが全く効かなくなる」、「チャンバーパッキンが破れる」といったトラブルが発生します。こうなると分解作業が必要になりますのでご注意下さい。

13.JPG外径に問題が無い場合はロッドを入れていきます。この際に先ほどウエスを巻いた方向と同じ方向へ回転させながらロッドを入れていきます。回転させずにロッドを入れていくと、単に「汚れを奥へ押し込んでいるだけ」になりますので、この回転運動が非常に重要なポイントです。その為にもバレルに入れる前の外径の調整は必ず行って下さい。加えて、ウエスを巻いた方向と同じ方向で回転させる事で、ウエスがほどけにくくなり「ロッドを引き抜いたらウエスが無かった...(泣)」という悲劇も回避出来ます。ウエスがほどけてバレル内に残ってしまうと全バラ決定です。間違ってもBB弾を発射させて強引に取り出そう!というワイルドな事はしないで下さい。高い確率でギアやピストンが逝きます。(若気の至りで経験済み)
ロッドを入れる深さは、先端がカツンと止まる位置(ノズルに当たる位置)が目安になります。この位置は丁度、チャンバーパッキンとウエスが接触しているので、この位置のまま数回転させて「行き」は終了です。

14.JPG「帰り」も同様に、ウエスを巻いた方向に回転させながら引き抜いてバレルクリーニングは終了となります。小型のLEDライト等でバレル内の状態を確認し、綺麗になっていれば完了です。まだ汚れが残っている場合は上記の工程を複数回繰り返します。尚、バレル内を覗く際にシュアファイアーに代表されるフラッシュライト系はお勧め致しません。ピカピカのアルミピストンヘッドが組まれていると思わぬ反撃を喰らいます。(若気の至...)今回ご紹介した内容は分解作業も不要で誰にでも行えるメンテナンスです。バレルクリーニングを行う事は弾道性能の維持だけで無く、弾詰まりによるメカBOX故障も未然に防ぎます。無用なトラブルを避ける為にも是非とも定期的なバレルクリーニングをおすすめ致します。



KEN


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2015年10月14日

BOLT製SR47(BR47)チャンバー加工

SR47



1.JPG本日の作業はBOLT製BR47のチャンバー加工です。
(正確にはBR47チャンバーに対応したインナーバレル加工です。)完成品の「SR47」、という事で人気の「BOLT製SR47(BR47)」ですが、「初速が全然出ない」、「HOPが掛からない」という事でお客様からの改修依頼も多い機種です。チャンバーの基本設計は「ハリケーン製SR47※コンバージョンKIT」をトレースしていますが残念ながらハリケーン製程の寸法精度には至っていません。とは言っても完成品のSR47がこの価格で購入出来るのは魅力的ですし、リコイルショックの面白さ(かなり独特なリコイル感なので好き嫌いはあると思いますが)もありますので、人気が出るのも納得です。初速が出ない、HOPが掛からない、というBR47ですが原因のほとんどはチャンバーの寸法にあります。簡単に言うと「チャンバー内でのインナーバレル(チャンバーパッキン含む)固定位置が前過ぎる事」が原因になっています。結論だけを書くとサクッと終わりますが、実際には結構複雑で根が深い問題を抱えています



2.JPG問題点その1、チャンバー内側のインナーバレル固定用リブの位置が0.5mm程前方にズレている事。このリブはインナーバレル側面の溝に嵌まり、インナーバレル前後方向&回転方向の位置決めを行う非常に重要な箇所です。このリブの位置が0.5mm前方にズレてしまうという事はインナーバレル全体(当然、チャンバーパッキンも)が0.5mm前方にズレてしまう事を意味します。



3.JPG問題点その2、BR47純正の「インナーバレル側面の溝」の横幅寸法が広過ぎる事。本来、この溝の横幅はチャンバー内側のリブとほぼ同寸に加工されているべきですがBR47純正インナーバレルの場合、溝の横幅がチャンバー側のリブよりも大幅に広くなっています。リブに対して溝の横幅が広いので、チャンバー内でインナーバレルが定位置に固定されずに動いてしまいます。当然、後方(メカBOX側)からはピストンの衝撃が常時加わるので、インナーバレルは前方向にズレます...。チャンバー側のリブの位置&インナーバレル側の溝の横幅、この2点の相乗効果(もちろん悪い意味で)でインナーバレルが前進した位置にセットされてしまいます。



4.JPG何も加工を行わない純正状態ですと、この画像の様にチャンバーパッキン後端のヒダの部分とチャンバーとの間に隙間が出来ます。これだけ隙間が大きいと当然の事ながらノズルが届かなくなるので、気密性が大幅に低下し初速が出ません。BR47はメインスプリングのレートを上げても初速が思った程、上がらない個体がほとんどですが、一番の原因はこの部分にあります。チャンバー前方にプラ板を貼ってチャンバー全体を後退させる対策を行っている方も見受けられますが、あまりお勧め出来ません。チャンバー全体を後ろへ下げてしまうと「給弾不良が発生する可能性が高まる事」、「しっかりとセッティングを出す為にはノズル長を0.1mm単位で再調整する必要がある事」、「根本的な解決策では無く、対処療法である事※チャンバー位置が悪い訳では無く、チャンバー内でのインナーバレル位置が前進している事が原因なので」が挙げられますが、実はもっと重要な点があります。この点に関しては後ほど...。



5.JPG加工後は、この様にチャンバーパッキン後端のヒダとチャンバーが隙間無くピッタリと密着します。という筋書きだったのですが、なんという事でしょう...。画像では全く違いが分かりません(爆)でも良~く見てみると分かりますよね?隙間が全然違うんですよーー!



6.JPGイマイチ説得力に欠けるので(笑)、もっと分かりやすい画像を。先程の加工前画像と較べて頂けると違いが分かりますね。この位置が本来のインナーバレル固定位置になります。



7.JPG本来のインナーバレル位置に直す為にはチャンバー側のリブの位置&幅を修正してあげれば解決しますが残念ながらリブは一体成型なので修正は不可能です。そうなると残る手段は、別のインナーバレルを用意してBR47チャンバーのリブ位置のズレを考慮した溝をインナーバレル側に新たに彫る、という方法になります。う~ん、ややこしくなってきましたね...。しかし、ここでまた問題が発生します。通常の電動ガン用インナーバレルには元々、近い位置に溝が存在しますのでBR47チャンバー用に新たに溝を掘ると元々の溝と繋がってしまい横幅が広い溝になってしまいます。これではBR47純正インナーバレルと同じ結果になりますので意味がありません。溝が彫られていない、まっさらなインナーバレルに新たに溝を彫る必要があります。そこで登場するのが「マルイM14用の各種インナーバレル」です。マルイM14のインナーバレルは溝位置が通常品よりも後方に彫られている専用設計です。その為、今回新たに溝を掘りたい位置には何もありませんので好都合です。このインナーバレルを素材にしてBR47チャンバーに合わせた溝を新たにフライス加工します。上がBR47純正インナーバレルで、下がフライス加工で新規に溝を彫り直したM14用インナーバレルです。横幅の違いは一目瞭然ですが、インナーバレルを後方にセットする為に溝の位置自体も微妙に変更しているのがキモですね。完全にBR47チャンバー専用のインナーバレルになってしまいますが「毒を以て毒を制す」的なこの方法が今回の場合は、現実的且つ根本的な解決策と思います。



8.JPG勘の鋭い方であれば既に「ピンッ」と来ていると思いますがHOPが掛からない、という問題点もこの部分にあります。インナーバレルが前過ぎる為にHOPを掛ける為のクッションラバーがインナーバレル後端の「フチ」に当たってしまって下がらないのが原因です。これじゃ、思いっきりブチ当たりますね(笑)



9.JPGインナーバレルが本来の位置にセットされると、HOPの問題も同時に解決します。プラ板を使ってチャンバー全体を後退させる対策をお勧め出来ない理由は、この問題が解決しないからです。チャンバー全体を後退させる、という手法はチャンバーパッキンとノズルとの距離が縮まる事で気密性の問題は解決するかも知れませんが、インナーバレル&チャンバーパッキンも一緒に後退する為、チャンバー内でのインナーバレルの位置関係は何も変わりません。チャンバー内でのインナーバレル位置が変わらない以上、HOPが掛からない、という問題も解決しません。重要なのは「チャンバー内でのインナーバレル固定位置が前方にズレている」という点ですので、根本的な解決にはインナーバレル「だけ」を後方に動かしてあげる必要があります。



10.JPGちなみにBOLT純正の「クッションラバー」ですが、明らかにデカいです(笑)もしかすると、作ってから「やべ~寸法ミスッたよ、おい!」って事になって急遽、クッションラバーをデカくしたのでしょうか...。
※少しでもHOPの突き出し量を確保する為。


11.JPG相手側のHOPアームの凹みを見ると形状が合っていないので当初からの仕様とは思えないんですよね。(あくまでもワタクシ個人の推測の範疇ですが)



12.JPG通常のクッションラバーに交換するとピッタリですね(笑)チャンバー周辺は、ホンの少しの寸法の違いで大きく性能が向上したり逆に悪化したりしますので難しい反面、腕の見せ所でもあります。BR47をお持ちで同様の症状でお困りの場合はお気軽にご相談下さい。


KEN


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2015年08月06日

マルイ製電動UZI復活プロジェクト

UZI



1.JPG・現在は廃盤でメーカー修理も不可能な「マルイ製電動UZI」ですが、ファンも多く未だに所有しているお客様も多数いらっしゃいます。
残念ながら修理に必要な純正パーツも既に絶版ですので、壊れてしまうと直せない...、という悲しい現実があります(泣)
個人的には非常に多くの可能性を秘めているメカBOX(Ver5)と思いましたが
・樹脂製メカBOXケースによる耐久性の問題
・エアー効率の悪さ
・ピストンリリースタイミングの関係でメインスプリングのレートアップが困難
・8.4Vミニバッテリーしか使えない。(8.4VラージバッテリーもNG)
といったところが1代限りで終わってしまった理由なのでしょうか?
当時は「このメカBOXがあれば、今後は色々な機種がラインナップされる!」と喜んでいたのですが...。
そこで今回はお客様からのご依頼で「コンパクト電動ガン用」のマイクロメカBOXを移植して不動のUZIを復活させる事にしました。



2.JPG・他機種用のメカBOXを移植する、という作業は一筋縄で行かないのは最初から分かっていましたのでお客様へは「お時間だけは長めに頂きます」とお伝え致しました。結果は予想通りで紆余曲折・試行錯誤・七転び八起き・すったもんだ、と色々ありまして(笑)、構想半年&製作期間4ヶ月の合計10ヶ月程掛かってしまいました。今回の様な特殊作業は色々な部分の検証、確認が必要な為、つきっきりで作業する訳には行かず通常業務の合間に少しずつ作業する事になりますので、どうしてもお時間は掛かってしまいますね。
当初、コンパクト電動SMG用メカBOXを想定していましたが、実際に形状を確認してみると干渉箇所の問題が解決出来なかった為、コンパクト電動ハンドガン用メカBOXに計画変更しました。
他機種用メカBOXを移植する上で最大の壁は、やはりチャンバー部を含めた給弾関係です。チャンバー位置、ノズル位置、ノズル長、インナーバレルの種類(※通常電動ガン用とコンパクト電動ガン用とでは形状が違う為)、チャンバーパッキンの種類、等を決める必要があります。加えてマガジンは出来る限り「UZI用純正マガジン」を無加工で使いたいので、このあたりも考慮しなければなりません。
色々と検証した結果、大きな問題点は
・純正マガジンを無加工で使える様にする為にチャンバー、ノズル、インナーバレル、チャンバーパッキン等は通常電動ガン規格にしておく必要がある事。
しかしながらメカBOX側は規格が違う為、使えるパーツが無い事。
・インナーバレルとメカBOXの中心軸が合わない事。
・仮に上記の問題点が解決したとしても、セミオートのカットオフ機構、セーフティー/セミ/フル切り替え機構が無い事。
が挙げられます。
あ~でもない、こ~でもないと色々と格闘した末、最終的には
・シリンダーヘッド、ノズル、ノズルカム、ノズルカムプレートをスチール削り出しで新規製作。これらのパーツによりチャンバー自体は純正品(UZI用)を少し加工するだけで使用可能になるのでマガジンの問題も解決。
3.JPG



4.JPG・中心軸のズレはUZI本体内部のインナーシャーシを大幅切削&メカBOXを反転させる事で解決。
5.JPG



6.JPG・カットオフ機構&セーフティー/セミ/フル切り替え機構はタクトスイッチ方式へ変更する事で解決。
7.JPG
8.JPG



9.JPG・移植作業にあたっては、まだまだ積もるお話は沢山ありますがキリが無いので、このへんにしておきます(笑)
これらの作業で、よ~~~やくメカBOX移植が完了したので、ここから通常の内部カスタム(コンパクト電動ガン用スペックRカスタム)&20mmレール増設加工(サイド、アンダー、トップx2)を行い作業完了となりました。
10.JPG
11.JPG


・いつもの事ですが寸法精度には拘ってパーツ製作を行いましたし、スペックR化の恩恵もあり電動ハンドガン用メカBOXですが初速は90m/s前後、サイクルは17発(7.4VのLIPOバッテリー使用時)というなかなかのレベルで仕上がりました。日頃から感じている事ですがマイクロメカBOXのポテンシャル(特にエアー効率)は相当高いですね。このサイズで90m/s前後出るというのは末恐ろしいメカBOXです(笑)
Ver5メカBOXが消えた一番の理由は、このメカBOXの存在かも、と感じた今回の移植作業でした。

KEN


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タグ :MARUIUZI

2015年02月26日

次世代AKへのRAS組込み&バッテリー収納加工

次世代AK



1.jpgお客様からのご依頼でスタンダード電動ガンAK用RAS(※ランドアームズ製)を次世代AKに組み込みたい。というご依頼がありました。
スタンダードAK用のRASは各社から様々なタイプが販売されていますが、次世代AK用となると、全くと言っていい程見当たりません。
最初は「次世代AKの場合はハンドガード内にバッテリーを収納する必要があるからかな」と考えていましたが、実際に作業してみて、バッテリー収納以外にも色々な問題がある事が痛い程、分かりました(笑)


2.JPGAK系のRASは大抵、アウターバレルにアダプターを被せて、そのアダプターに対してロアー側RASを取り付けますが、スタンダードAKと次世代AKとでは、アウターバレルの形状が全く違います。つまりそのままではアダプターがそもそも取付出来ません。
画像は加工が終わった組込後ですが、最終的にはアダプターを新規で製作して組込みんであります。本体側との干渉部分も多数ありますので、スタンダードAK用のRASを次世代AKに組み込むのは、かなり大変ですね。


3.JPGレシーバー側との干渉以外にも、全長が長すぎてフロントサイトに当たってしまう為、アッパー側RASもレール長をカットして短くしました。


4.JPG今回のRASは思いの他、内部スペースが大きくバッテリー収納が可能でした。ここで問題になるのが、バッテリー交換の際にアッパー側RASが外せない。という点です。本来であればイモネジを緩める事でアッパー側RASは2センチ程、前方へスライド、その後、上方向へパカッと取り外せるのですが、今回の場合はフロントサイトがギリギリまで接近しているので前方へスライドさせる事が出来ません。という事は、アッパー側RASが取り外せないのでおのずとバッテリー交換が出来なくなります...。
5.JPG


6.JPGバッテリー交換の度にRASを全バラ、という事ではあまりにも実用性が低いので、アッパー側RASのツメ部分&ロアー側RASの溝部分をフライスで加工して、5mm前後の前進でツメのロックが解除出来るようにしました。溝部分のフライス加工が予想以上に大変で専用刃物を製作して溝加工を行いました。


7.JPGフライス加工を行った事でイモネジを緩めてアッパー側RASを少し前進させるだけでパカッと取り外せます。当初はバッテリーが収納出来たとしても容量が少ないタイプしか入らないかな、と思っていましたが今回のRASに関しては「7.4V/2000mA」が無理無く収納出来ました。
市販されている全てのスタンダードAK用RASが次世代AKに組込可能なのかは、分かりませんが少なくとも今回のRAS(※ランドアームズ製)に限ってはこのような加工を行う事で組込&バッテリー収納が可能でした。次世代AKにRASを組み込みたい、という場合はお気軽にお問い合わせ下さい。
8.JPG




KEN


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2014年11月06日

バイオBB弾に関して

1.JPGご無沙汰しております。
殺人的な忙しさ(大変有り難い事です)でなかなか更新出来ませんでした。本日は若干趣向を変えて「バイオBB弾」に関してのお話です。最近、安価なバイオBB弾が原因によるトラブル(弾詰まりによる駆動系パーツ破損、給弾不良、弾道不良)が多発しています。今も昔も故障原因の第一位は「不良BB弾による弾詰まり」ですが、昔と違い現在は様々な安価なバイオ弾が販売されています。これらの中には「BB弾の様な形をした丸い物体」も見受けられます。当店には弾詰まりによる修理品も多数持ち込まれますが、「安価なバイオ弾」が原因である事がほとんどです。もちろん安価なバイオ弾の全てが弾詰まりを起こす訳では無いと思いますし、銃本体との相性(マガジン、インナーバレル、チャンバーパッキン等含めて)もあります。あくまでも当店の独断と偏見と過去の経験からのお話になります事を予めご了承下さい。


2.JPG・まずは最新の弾詰まり事情(笑)からご説明させて頂きます。一昔前(バイオ弾が主流になる以前)は弾が詰まる不良BB弾=直径がバラついていて径が大きい、でしたのである意味、判別は容易でした。パーティングライン(PL)が思いっきり残っていて土星の様な弾やPLから半分ズレている弾等、見ればすぐに分かりますし、直径もノギスで測れば、判別出来ます。ところが最近のバイオ弾は安価な物も含めて、この「直径」に関してはどれも優秀です。実際に計測しても、ほぼ公称値通りの精度が出ています。下記のデーターは「マルイ製バイオ弾」、「エクセル製バイオ弾」に加えて「弾詰まりしやすいバイオ弾」4種類を計測した結果です。計測方法は昔ながらの「ノギスを使い、ランダムに5箇所を計測する」という方法です。この方法はノギスさえあれば誰でも簡単に出来ますが、ランダムに5箇所を測るので計測精度も意外と侮れません。ちなみに当店では弾詰まりの危険性が低く安心してお勧め出来るバイオ弾として「マルイ製」、「エクセル製」を推奨しています。
<マルイ製バイオ弾0.2g>
5.96mm、5.95mm、5.95mm、5.96mm、5.95mm
<エクセル製バイオ弾0.2g>
5.91mm、5.93mm、5.94mm、5.92mm、5.91mm
<A社製バイオ弾0.2g>
5.94mm、5.93mm、5.94mm、5.93mm、5.93mm
<B社製バイオ弾0.2g>
5.92mm、5.92mm、5.92mm、5.93mm、5.93mm
<C社製バイオ弾0.2g>
5.95mm、5.95mm、5.96mm、5.95mm、5.96mm
<D社製バイオ弾0.2g>
5.95mm、5.95mm、5.94mm、5.94mm、5.94mm
このデーターを見ても分かる通り、どのバイオ弾も大幅に径が大きかったり、バラつきが大きかったりはしていません。寸法だけで判断すれば、むしろ非常に高精度なBB弾と言えます。


3.JPGでは何故、寸法精度は問題無いのに実際に使うと、弾詰まりが発生するのか?
私は「硬さ」が足りない事が理由と考えています。職業上、星の数程のBB弾をテストして来ましたが、一般的に「良く詰まるBB弾」と言われている物を調べると「柔らかい」という共通点があります。BB弾の硬い、柔らかい、と聞いてもピンと来ない方も多いと思いますが、ペンチで潰すとビックリする位、違いが明確に分かります。こればっかりは実際に経験してみないと分かりませんが、やってみると誰でもはっきりとした硬さの違いを感じ取れますので是非ともお試し下さい。一般的に弾詰まりの可能性が低いと言われているバイオ弾(マルイ製、エクセル製)に比べて、弾詰まりしやすいバイオ弾は明らかに柔らかく、少ない力で潰れます。バイオ弾は性質上、通常弾(プラ弾、セミバイオ弾)に比べて柔らかくなってしまうのは致し方ありませんが、その中でも「マルイ製」、「エクセル製」は硬い事がペンチで潰すと分かります。実際に弾詰まりする可能性も低い弾ですので、この2種類の硬さを基準にしておけばまず間違いは無いと思います。事あるごとに色々なバイオ弾をペンチで潰していると中には「これは紙粘土か?」と思う位、柔らかいバイオ弾もあります。このようなバイオ弾は最後まで潰しても割れずに「お餅」みたいになります。つい先日も新製品サンプルで送られてきたバイオ弾をテストしたところ、ペンチでつまんだだけで(まだ力を加える前に)パラパラパラっと粉々に砕けた物もありました。製造段階で「ラムネ」が混入してしまったのかも知れません。これはもしや歯でも砕けるのでは?と思い口に入れたところ、ホントに歯でも砕けました(笑)


4.JPG硬い、柔らかいの差はあれど、バイオ弾は大抵、このように潰れます。


5.JPG上手く撮影出来ず少々分かりづらいですが「お餅バイオ弾」です。


6.JPGちなみに通常弾(プラ弾、セミバイオ弾)はバイオ弾に比べて硬い為、この様に最後は粉々に砕けます。前述のラムネ弾との違いはこの状態になるまでには、かなりの力を加えないと割れません。

7.JPGでは何故、柔らかいBB弾は弾詰まりを起こす可能性が高いのか?私は「チャンバー」に運び込まれる過程で変形してしまうから、と考えています。意外と忘れがちですがBB弾って実は様々な箇所にブツかりながら&ど突かれながらチャンバーまで運ばれています。BB弾への攻撃は、BBローダーを使ってマガジン(ノーマルマガジン等のスプリング給弾式の場合)に装填する時点で既に始まっています。冷静に考えてみると当然の事ですがBBローダーはBB弾でBB弾を押し込んでいます。BB弾は球体の為、お互いの接触面は「点」接触になります。押し込んでいる時は予想以上の荷重が1点に集中して掛かっているはずです。更にマガジン側のスプリングテンションの反発力も加わりますので、柔らかいBB弾ですとこの段階で変形している可能性も十分考えられます。マガジンスプリングのテンションが強い場合は尚更です。
装填されたBB弾は今度はマガジンスプリングで押し上げられます。当然ですがこの時もBB弾とBB弾は点接触です。そして最上段のBB弾は飛び出さないように「BB弾ストッパー(リップ)」で止まります。皆さんも良くご存知のように、ストッパーは僅かにBB弾に引っ掛けて止めています。これってBB弾にしてみれば結構痛いと思うんですよね(笑)下からはスプリングテンションで押し上げられて、上からはストッパーのトンガッた角で押さえ付けられている訳で、まるで逃げ場の無い中間管理職です。たぶん私だったら心が折れますね...。さすがにBB弾の心は折れませんが、柔らかければ変形の1つや2つはするでしょう。BB弾への攻撃はまだ終わりません。ようやくチャンバーまで辿り着いても、今度はチャンバーの天井に押し付けられて最後は背後から不意打ちで、ノズルにど突かれます。このような過酷な攻撃を耐え抜いてようやくBB弾はチャンバーに装填され発射されるわけです。このような過程を考えると「柔らかいBB弾」が変形してしまう可能性は十分に有り得ると考えます。通常弾(プラ弾、セミバイオ弾)が全盛だった時代は「硬度」に関してはあまり重要視されていませんでした。通常弾は材料的な理由で、「硬度」は自然とクリアー出来る事が理由と思います。つまりこの頃は「BB弾は硬くて当たり前」だったんですね。ところがバイオ弾は色々な理由(材料的な問題、自然分解されるまでの時間の問題、等)で通常弾レベルの硬度は実現出来ていないのが現状です。「自然分解されるBB弾」という制約の中で可能な限りの硬度を実現する為に各BB弾メーカーは試行錯誤しているのではないでしょうか。更に言うと「硬度」は、製品単価に如実に反映されている、とも言えます。「マルイ製」、「エクセル製」のバイオ弾の1発当たりの単価が「安価なバイオ弾」よりも高いという事実は、逆説的に考えると「硬いバイオ弾を作るのにはコストが掛かる」という事なのかも知れませんね。環境意識の高い昨今、これからも引き続きバイオ弾が主流である事はまず間違いないでしょう。従来はあまり意識される事の無かった「BB弾の硬度」というものが、今後は重要視されて行くのではないか、と個人的には考えています。もしかすると何年後かには「ビッカース硬度」や「ロックウェル硬度」等の「硬度表記」がパッケージに表示されているかも知れませんね(笑)
バイオ弾によるトラブルが後を絶たない為、当店では現在、お客様へお渡ししております「カスタムカルテ」内に別紙で「BB弾に関してのお知らせ」を同封しております。尚、今回の内容はあくまでも当店の独断と偏見と過去の経験からのお話になります。弾詰まりする、しない、は銃本体との相性も密接に関係してきますし、私が知らないだけで「安いけど品質最高だぜ!」っていう素晴らしいバイオ弾も存在するのかも知れません。そのような事情も踏まえて参考程度にお読み頂けると幸いです。


KEN


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タグ :BB弾

2014年08月14日

G&G製M14EBRショート用 サイレンサーアタッチメント製作

M14EBR



7.JPG箱出しでのサイクル&レスポンスの悪さ、ロングレンジでの弾道の曲がり、等でカスタム作業依頼が多いG&G製M14EBRシリーズですが、ショートタイプをお持ちのお客様からは「サイレンサーアタッチメントを作って欲しい」というご依頼も頂きます。


1.JPGこの機種はハイダーとフロントサイトが一体型の為、一般的な電動ガンのように「ハイダーを外すとサイレンサー取り付け用の14mmネジが現れる」という気の効いた構造にはなっていません。(ハイダーを外すとフロントサイトも無くなっちゃいますので...)
そのような事情もあり、サイレンサーを取り付ける事が出来ないのですが、当店では専用のアタッチメントの製作も行っております。


2.JPGまずは「ネジピッチ変換アダプター」的なこのようなパーツを製作します。
向かって左側がサイレンサー取り付け用の14mmネジ(写真は逆ネジですが正ネジでの製作も可能です)です。反対側がハイダー側になります。


3.JPG「反対側がハイダー側になります。」なんて簡単に言ってみましたが、そもそもハイダー側にはネジが切られていないので当然の事ながら、そのままでは付きません。という事でハイダー内側へネジを切ります。この取り付け方法であればアタッチメントを付けていない時の外観の変化もありませんし、ネジ長もそれなりに確保出来ますので強度的な問題も解決します。

4.JPGこの機種はインナーバレル先端がハンダー前面より若干奥まっています。その為、単純に「アタッチメント」のみの形状だと、インナーバレル先端とアタッチメントとの間に隙間が出来てしまいます。このような隙間は弾道にとっても良い事ではありませんし、最悪の場合はBB弾がアタッチメントに接触する可能性もありましたので、この隙間を埋める為の「スリープ」を追加してあります。業界的にカッコ良く言うと「整流パイプ標準装備」になりますね(笑)インナーバレル先端からの長さを計算してアタッチメントを締め込んだ際にピッタリと密着する寸法にしてあります。取り付けは至って簡単でクルクルと締め込むだけで完了です。これで様々な汎用サイレンサーの取り付けが可能になります。パーツ単品販売もしたいところですが、本体側への加工(ハイダーへのネジ切り)、インナーバレルの寸法確認(スリーブ長の決める為)が必要ですので、断念しました...。本体のお預かりが条件になりますが、「EBRショート」にサイレンサーを付けたい、という方はお気軽にお問い合わせ下さい。
5.JPG
6.JPG


KEN


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タグ :G&GM14M14EBR

2014年02月13日

マルイ製ステアーAUG 修理&カスタム作業

STEYR-AUG



1.JPG本日の作業は、マルイ製ステアーAUGの修理&カスタム作業です。「AUGミリタリー」にSP用レシーバーを移植する、というAUG好きなら誰もが一度は行った事がある純正パーツ同士の組み換えカスタムですね。マルイ製の「AUGミリタリー」は生産終了になってしまいましたが、「ダイハード」世代としては何とも寂しい限りです...。まだ少年だった自分にはJACのステアーは高くて買えず、仕方無くマルゼンの微妙に小さいステアーを買った記憶があります(笑)今にして思えば「人生、時には妥協も必要だ」という大人の階段を上がった最初の1歩だったかも知れません。
2.JPGそんな話はさておき(笑)今回のステアーですが、「昔、他店でカスタム(流速系)した本体だが、動かないので修理して欲しい」という事でご依頼頂きました。購入後、そのまま使わずに数年間放置していて最近になって初めて作動させたところ200発程で動かなくなったそうです。作動確認したところ全く通電しなく、何も反応がありません。電気系統のトラブルと考えられますので分解作業に入ります。メカBOX内部のパーツを見たところ、基本的には純正パーツを流用したライトカスタムですね。ギア、ピストン、軸受け等の駆動系パーツも純正品です。しかしながら流速系だからなのか、メインスプリングだけが不釣合いな程、高レートのスプリングが組まれています。そもそも動かない状態だったので実際の初速は不明ですが線径・巻き数から推測するに「M130」相当と思われます。本来はこのレベルのメインスプリングを動かす場合、トルクアップギアへの交換が必要(純正ギアの減速比(18;1)では完全にトルク不足の為)ですが、今回のメカBOXの駆動系は完全ノーマル品です。この状態で強引に動かしていたとすると、過大な電流が流れる為、電気系パーツへの負担はかなり大きくなります。
 
3.JPG一般的な「M95メインスプリング※上段」との比較です。線径の太さの違いは一目瞭然ですね。
4.JPG各部を調べたところ、通電不良の原因は「モーター」でした。完全に死んでいますのでおそらく純正ギアのまま、高レートスプリングを強引に動かしていた事による過負荷でローターのコイルが焼き切れたと考えられます。
5.JPGブラシも熱で変色していますので、かなりの負荷が掛かっていたと思われます。下が正常品のブラシです。
6.JPG通電不良の原因が「モーター」という事は分かりましたが、「そもそも、何故ヒューズが切れなかったんだ?」という疑問が浮かびます。今回は配線関係も純正品ですので「ヒューズ」も付いていますし...。モーターが焼き切れる程の過負荷が掛かっているのであれば、その前にヒューズが切れるはずですが、何故かヒューズは切れていません。
7.JPG念の為、ヒューズを取り出して確認したところ、あらま!ビックリの「30A」に交換されていました(泣)スタンダード電動ガンの純正ヒューズは15Aですので倍の容量ですね。これじゃ、モーターが焼き切れる程の過負荷が掛かってもヒューズは切れないわな、という事で納得です。マルイ製電動ガンの場合、タイプによって数種類のヒューズ(コンパクト電動ガン;10A、スタンダード電動ガン;15A、HCシリーズ&次世代シリーズ;20A)が使われていますが、さすがに「30A」という選択肢は無しですね。正常なメカBOXであれば「30A」なんて何をやっても切れないでしょうから、「ヒューズ」本来の役目である安全装置(異常が発生した際にヒューズが切れる事で回路を遮断する)としての機能はほぼ、放棄しています。では何故、わざわざ「30A」に交換したのか...。たぶん「動かなかったから」だと思います(笑)前述の通り、純正ギアのままで高レートスプリングを強引に動かそうとすると、トルク不足の為に回路内を流れる電流値は一気に増大します。通常はこの段階で「15A」ヒューズが切れますので、それ以上電気が流れる事はありません。回路が遮断される為、もちろん動く事もありませんが安全装置とはそういうモンです。当然の事ながら「ヒューズが切れちゃうから動かないじゃんか、バカヤロー!」と文句を言われる筋合いもありません。この場合、15Aヒューズは人間側のミス(純正ギアのまま、高レートスプリングを強引に動かそうとした事)が原因で切れている訳で、むしろ被害を食い止める為に自らを犠牲にして「切れてくれた」のです。「15Aで切れるんなら30Aにすれば切れないし何とか動く」という安易な考えの結果、最終的にモーターが焼き切れたと思われます。ヒューズというのは安全装置であると同時に、そのメカBOXが正常か否かを判断するテスターとしても活用出来ます。通常のセッティングであれば15A(スタンダード電動ガンの場合は)が切れる、という事はどこかに問題がありますよ、というサインです。「ヒューズのA(アンペア)数を上げて強引に動かす」というのは、根本的な原因(メインスプリングのテンションに対して、駆動系のトルクが不足している事)は何も解決していませんので、何とか強引に動くかも知れませんが、ツケは必ずどこかに回ってきます。大抵はスイッチの焼損や今回の様にモーターの故障という電気系の異常となって現れます。このような点に関して「機械」はある意味、人間以上に正直で律儀です。その場しのぎ的な対応をしても、根本的な原因を直さない限り、必ずどこかにシワ寄せが来ます。目の前の臭い物にフタをしても、別のところの臭いフタが開くんですね。今回のメカBOXも、スプリングレートに対応した駆動系強化を行っておけば「15A」ヒューズも切れずにモーターが焼き切れる事も無かったはずです。

8.JPG故障に至るまでの経緯や原因が分かったので、問題のある箇所を改善して正常な状態に仕上げます。いつも通り全てのパーツを洗浄して各部を点検します。特に今回の場合はモーター以外のパーツもダメージを負っている可能性が高いので点検は入念に行います。
9.JPG発射弾数が少なかったのが幸いしてか、セクターギア以外は無事でした。純正のセクターギアは亜鉛ダイキャストですので、そもそも高レートスプリングに耐えられる程の強度はありません。単純に減速比の問題以外にも純正ギアで高レートスプリングを動かす事には、色々と問題が生じます。発射弾数はかなり少ないようですが、それでもセクターギアはここまで擦り減っていました。
10.JPGステアーのフルオート用接点は元々、スパークで痛みやすいのですが加えて今回は強引なセッティングだった為、200発程度の使用でも結構なダメージになっていました。表面を磨く事で今回は再利用出来そうです。
11.JPG
12.JPG社外製のVer3用スプリングガイドは、ツメを固定しているネジが緩んできますので、ネジロックで再固定します。ここが緩むとガイドが暴れて最悪、ピストンがロックして駆動系破損になる場合があります。
13.JPG
14.JPGかなりの年数が経過している為、チャンバーパッキンは完全に変形しています。ゴム製品の経年劣化による硬化・変形は避けて通れませんので消耗品と割り切った方が良いですね。特にチャンバーパッキンは実射性能への影響も大きいですし、パーツ代も数百円ですので。


15.JPG新品チャンバーパッキンと比較すると硬化・変形具合がハッキリと分かります。プニプニ(笑)してみると同じ純正チャンバーパッキン同士とは思えない位、硬いです。クッションラバーも同様に硬くなっていますが、よ~く見てみると、古いクッションラバーの方が小さくなっていますので、経年劣化で収縮するのかも知れません。
16.JPG

17.JPG新品と並べて潰すと、硬さの違いが明らかですね。これだけ硬化してしまうと、実射性能(特に命中率)への影響は無視出来ないレベルになります。尚、経年劣化によって硬化したチャンバーパッキンは、「抜弾抵抗」は増える為、場合によっては初速が向上したりもします。初速だけを見て「まだまだ大丈夫」という判断方法はあまり通用しません。ゴム製品の場合は、「期間」で交換するのがベストと思います。
18.JPG


19.JPGお客様と相談した結果、今回の作業を機に正統派(笑)なカスタム内容へチェンジする事になりました。メインスプリング交換、駆動系強化等を行って仕上げました。お持ち込み時の状態が壊れていた為、元の状態との比較は出来ませんでしたが、レスポンス、サイクル、燃費、耐久性等の全ての点で大幅に改善しているはずです。当店では数多くの修理作業を行っていますが、「不適切」な作業によって、かえって被害が拡大しているパターンが多いです。やはり大事なのは基本的な機械の構造を理解した上で「正しい方法」で作業する、という事だと思います。時には応用的な変則チューニングも存在しますが、「応用」はあくまでも「基本」が出来ていての「応用」です。電動ガンのカスタムに限らず何事も「基本」が大事ですね、というお話でした(笑)

KEN


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2013年10月23日

G&P製ストーナーMk23用4000発BOXマガジン製作




1.JPG本日の作業はG&P製ストーナーMk23用の大型BOXマガジン製作です。
お客様より「G&P製のストーナーは格好良いんだけど、バリバリ撃つには装弾数が少ないんだよね」という事でご依頼頂きました。確かに「1200発」というのは、LMGとして後方支援をする際には少々心許ない装弾数ではありますね。今回はお客様の方で「BOXマガジンのケースだけが入手出来た」という事なのでニコイチで大型化しましょう、という運びになりました。恥ずかしながら、「ケースのみ」で販売されている事を私は知りませんでした。正規輸入品なのか、並行モノなのかは不明ですが、しっかりと品番は書かれているので、少なくともメーカーでは販売してるみたいです。

2.JPG「ニコイチ」と申しましても、そう簡単に2が1になるはずもなく(笑)、結合方法、カットラインの位置、給弾通路&配線の延長方法等を考えた末、こんな感じに仕上がりました。バリバリ撃ちまくる事が予想されますので強度不足だと、お話になりませんからマガジン内部のインナーBOXを利用してお互いを結合してあります。
3.JPG

4.JPGフタのスライド機構はそのまま活かしてありますので電池交換は純正品同様に行えます。マガジン内部のインナーBOXは「ニコイチ」にあたり、不要な部分は切除していますのでBB弾の投入に関しては、むしろ純正品よりも簡単です。

5.JPGちなみに純正だとインナーBOXに組み込まれている強制給弾スイッチですが、今回の「ニコイチ」の為には他の場所に移ってもらうしかありません。極力、外観は崩したくないなので、どっか良い場所ないかな~と探していたら...。
「ここに付けろよ!」と言わんばかりの「おてて」マークがありましたので、こちら(給弾アダプター)に移植しました。素晴らしく違和感ゼロと思うのは私だけでしょうか(笑)

6.JPGニコイチで結合した2階部分が丸々、BB弾スペースになりますので約4.000発程入ります。これだけ入れば余程の事が無い限り、1ゲーム内での弾切れの心配は無いかと思います。今回はたまたま「ケースのみ」が入手出来たので製作可能でしたが、願わくはメーカーさんの方でもう少し、装弾数の多いBOXマガジンを販売してくれたらなーと思います。
当店では内部カスタム以外にも各種外装関係の作業も承っておりますのでお気軽にご相談下さい。

KEN


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2013年09月04日

MAGPUL製 PDR配線変更作業

1.jpg本日の作業はここ最近、ジワリジワリと人気上昇中の「MAGPUL製PDR」です。発売当初は品薄でしたが、最近はだいぶ供給も安定してきたようで、当店へお持ち込み頂くお客様も増えています。「持った感じはP90と同じかな」と思っていましたが実際に持ってみるとP90とは比較にならない位、コンパクト&スリムです。しかもブルパップなので、全長が短くてもインナーバレル長はそれなりの長さが確保されているのも嬉しいポイントです。


2.JPGこのPDRですが、バッテリーはグリップ内へ収納します。本体同様にグリップもスリムな為、無理無く収納出来るのは「ET1」でいうと「800mAイエローライン」までかと思います。しかし、「800mAイエローライン」は容量が少なく、レッドラインと違い放電特性も穏やかなタイプなので、レスポンスが少々物足りないのがネックです。


3.JPGかなり強引な入れ方をすると「2000mAレッドライン」も収納出来ますが(このレベルが「収納出来る」と言えるのかは、少々疑問ですが)、あまりにも無理があり過ぎて、お勧め出来ません。バッテリー収納後はグリップエンド(蓋)を取り付ける必要がありますが、これだけ無理やり配線やコネクターが押し込まれているとグリップエンド取り付けの際に配線を傷付けたり、LIPOバッテリーの被覆を破いてしまうのは確実です。特にグリップエンドはグリップ内側に入り込む形状なので、想像以上にスペースを食います。ちなみに私にはこの状態でグリップエンドを強引に差し込む勇気はありませんでした(笑)

4.JPG

5.JPG


6.JPG「800mAイエローライン」と「2000mAレッドライン」の性能差は、嫌という程、経験していますので、何としても「2000mAレッドライン」を使いたいな、という事で、当店で作業する際は配線(ハイレスポンスコード)の取り回しを変更してコネクターは、この位置に来るように製作します。コネクターを本体内部で接続する事で、「2000mAレッドライン」が無理無く収納出来ます。

7.JPGコネクターの位置が本体内部に変更されるので、バッテリーを挿入する際の向きも純正とは逆になります。こうする事でバッテリーの下側に余った配線やコネクターを押し込む必要が無くなりますので、グリップエンドの取り付けも無理無く行えます。これだけスッキリしていれば、いくら勇気の無い私でもグリップエンドを差し込めます(笑)

8.JPG

9.JPG


10.JPGちなみに、コンパクトなPDRですが、意外とレシーバー内部(特にアウターバレル周辺)にはデッドスペースがありますので今回のようなコネクター位置の変更やFET回路の設置も問題無く行えます。

11.JPGコネクターの位置が変更された為、バッテリー交換の際にはアッパーレシーバーを開く必要がありますがPDRの場合、この作業は非常に簡単です。
手順は
・バットプレートをむしり取る(笑)(硬質ゴムの弾性で、はまっているだけなので、文字通りむしり取るだけです)
・2本のレシーバーピンを引く抜く
以上です。
上記作業だけでレシーバー前方のヒンジ部を支点にアッパーがパカっと開きますので、慣れれば1~2分で完了します。PDRをお持ちで「2000mAが入りそうで入らないんだよな~」とお悩みの方はお気軽にお問い合わせ下さい。
12.JPG


KEN


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2013年07月17日

H&K SR9T製作




1.JPGフォトギャラリーで画像を掲載したところ、お問い合わせがありましたので、もう少し詳しくご紹介致します。お客様より「PSG1を持っているのでSR9Tを製作したい」というご依頼を頂きました。実銃に関してのお話はさておき、一番の問題は「リアサイトをどうするのか」という点でした。PSG1の設計は元々、スコープ搭載が前提ですので、そもそもリアサイトは存在しませんがSR9Tの実銃画像を見ると本来はG3レシーバーを使っている為にリアサイトが存在します。メカBOX内部のフルカスタム作業やアウターバレルのワンオフ製作、SG1用フロントパーツ移植、等は問題無いのですが、リアサイトだけは「どうしたものか...」と考え込んでしまいました。

2.JPG3.JPG当初はリアサイト基部をプラリペアで造形してからリアサイトを付ける、という方法も考えましたが強度的に不安が残る、という事で却下。色々と検討した結果、G3のレシーバーからリアサイト基部周辺をそっくりと切り取って移植する、という方法にトライしました。さすがにこのような作業は当店でも行った事が無く、移植と言っても切り取った箇所が綺麗にそのまま付く訳ではありませんので、非常に時間は掛かりますが強度的な問題、見た目的な問題を考えると、この方法がベストと判断しました。
張り合わせた後の造形処理(繋ぎ目の処理、塗装等)は、予想通り大変でしたが最終的には満足の行くレベルで仕上がったと思います。
SR9Tの実銃画像を見ると、このリアサイトの有無でかなりイメージが変わります。当店としてもこの部分は何とかして再現したかったので一安心です。

4.JPGアウターバレルは色々な実銃画像を調べて寸法を割り出した後、スチール削り出しで製作しました。細身な外見とは裏腹にかなり重いです...。

5.JPGSG1のフロントパーツを移植した事でPDI製のG3用チャンバーブロック、強化スリープの2点が組み込めるようになるのは大きなメリットです。このパーツは昔から存在しますがG3系の首周りの剛性向上パーツとしてはピカイチと思います。G3系(PSG1含む)の首周りの弱さは有名で、SG1に関してはバイポットを使って本体を地面に置くと銃身が上に反るので、弾道が変わる程です(笑)



今回は他にも色々な作業を行った為、完成までに時間が掛かりましたが、その分、納得の行く物が出来たかなと思います。
当店では内部のカスタム作業以外にも、各種外装関係の作業も行っておりますのでお気軽にお尋ね下さい。さすがに「それは無理です」という場合もありますが(笑)、可能な限り対応させて頂きます。

<KEN>


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2013年06月23日

ARES製 DSR-1 カスタム作業


本コーナーでは2回目の登場となるARES製DSR-1です。前回「工房ダイアリー」で取り上げてから約3年程経過しましたが、その後も多くのDSR-1の作業を行わせて頂きました。その中で新たに判明したトラブル箇所や仕様変更等がありましたので、この度、改めて本コーナーで取り上げる事となりました。

まずはDSR-1(というよりもARES製ガスボルトライフル全般で)と言えば「箱出しの状態だと冗談みたいな初速の低さ」が有名ですが、この点に関しては、どの個体も同様です。個体差もありますが40m/s代も珍しくはありません(泣)外気温の変化に敏感な「ガスガン」という事で、インポーターさん側で、かなりの安全マージンを取ったデチューンを施している為と思われます。(個人的には安全マージン取りすぎでしょ!と思いますが)ここからが本題で、上記の初速を故意的に下げる行為(デチューン)の内容が何通りか存在しています。最も多いのは前回の作業でも取り上げました 1;マガジン側のガス放出口の内径を細くする。という内容です。放出口の内径を細くする事でガスの流量を少なくします。




2.JPGこの方法以外で当店で把握している内容としては 2;ハンマースプリングのカット。放出バルブの打撃力を弱め、ガスの流量を少なくします。


3.JPG3;マガジンキャッチの形状を変更し、マガジンをグラグラの状態にする。これは、マガジンキャッチを変更して、マガジンをグラグラの状態でセットする事で、マガジンとボルト(マガジン側からガスが流れ込むパーツ)を故意的に密着しないようにしています。本来はマガジンのガス放出口とボルトのガス流入口は密着していますが、この部分に隙間が出来るとガスが漏れるので初速が下がる、という何とも「非効率」的な方法です...。あまりの驚きで写真を撮り忘れてしまいましたが、例えて言うとガスハンドガンのマガジンがしっかりと挿入されていない事をイメージして頂ければ近いかと。通常、そんな事をしたら本体側のバルブノッカーとマガジン側の放出バルブ(背面)の位置が合わないので、バルブが叩けなくなりますが「タナカ方式」の場合、マガジン上面からバルブを叩く構造なので、多少隙間があっても叩けちゃうんですよね...。但し、何とかバルブは叩けたとしても、マガジンリップとローディングノズルの位置関係がズレるので、給弾不良が頻発します。当店では多くのデチューンされた本体を見させて頂いていますが、往々にして「正常作動するか、しないかは二の次で、とにかく初速が下がれば(その場しのぎであっても)オッケー!」的なところが見受けられます。規制値内への調整は当然必要です、しかしだからと言って、その本体が正常作動しなければ本末転倒なわけで...。(そもそも「初速を調整」した事で正常作動しなくなったら、それは「調整」じゃないですからね)あとは同じような内容で、マガジン放出口の「上方向への突き出し量」が不足して、ボルト側と密着しない物もありました。放出口は上下方向にスライドする構造になっています。通常はスプリングテンションにより上側に突き出しています。こうする事でボルト側との密着度を上げているのですが(且つ、コッキングの際にボルトが回転する時には放出口が下がる事で「逃げ」になる)、「上方向への突き出し量」が足りず、ボルトとの隙間からガスが漏れてしまいます。この場合は放出口パーツの外周リブを薄く削る事で上方向への突き出し量が増えます。個体差もありますが、リブを全て切除しても最終的には、その下の「Oリング」がストッパーの役割をしてくれますので、突き出し量が増えすぎて弊害が発生する事はありませんでした。どのデチューン方法であっても、それぞれで対策は可能です。しかし一番やっかいなのは「3」のマガジンキャッチでのデチューンですね。マガジンキャッチ自体の形状を変更しないと解決しませんし、加工の際に万が一破損してしまうと、パーツの入手がかなり困難なので極力、やりたくない作業です(笑)デチューンとは違うお話ですがインナーバレルも初期は「電動ガン規格」だった物が途中から「VSR規格」に変更になっているようです。チャンバーパッキンも当然、変わってきますので、ご自分でカスタムされる方は、分解してどちらのタイプかを確認してからパーツを購入された方が良いかと思います。ちなみにDSR-1の場合、インナーバレル交換はほぼ「全バラ」が必要ですので、それなりに覚悟して下さいね。軽い気持ちで挑むと返り討ちにあいます。
4.JPG



5.JPG本体には標準でマガジンが2本付属しています、このマガジンが曲者で上記のデチューン内容との絡みもあり、「こっちのマガジンだと調子が良いが、もう一つのマガジンだと調子が悪い」という事が多々あります。マガジンによる性能差は施されているデチューン内容のバラツキが原因の場合もありますが、それだけではありません。
過去、当店で全くの同条件に仕上げたマガジンでも、初速に大きな差が出る場合がありました。放出口の内径、突き出し量、マガジンキャッチの掛かる位置、等はピッタシと揃っているにも関わらずです。何度も寸法を確認しましたが、かなりの精度で揃っています。そうすると考えられるのは「放出バルブ」です。という事でいつもの専用工具でバルブ関係を取り外します。

6.JPG

7.JPG


8.JPG取り外した放出バルブをよ~く観察すると、何点か原因らしき箇所が判明しました。
ひとつは、バルブのストローク量が違う事。
写真だと分かりずらいと思いますが(深夜に作業していた為、撮影者&持ち手が私一人だったので...)2つのバルブでストロークが違うのがお分かりでしょうか?ちなみに両方とも最大までバルブは押し込んだ状態です。右側のバルブに比べて左側のバルブの方がストロークが短いのが確認出来ます。つまり、「放出量が違うバルブが組み込まれているので、そりゃ初速も違うよね」という事です(笑)
バルブを分解し確認したところ、ストロークを決定する部分の寸法そのものが違うので、ロットによるバラツキなのかもしれません。

9.JPG


10.JPGという事でストロークが不足していた方の内部パーツを削り、ストロークを揃えたところ案の定、マガジンによる初速のバラツキは大幅に軽減されました。
本体付属の2本のマガジンで、それぞれ違うバルブが組み込まれている、という国内製品ではまず、考えられない事が海外製品では起こります。
海外製品の手直し作業を行う場合のポイントはズバリ「全てを疑う」、これに尽きますね(笑)


11.JPGその点以外だとバルブの叩かれる部分(銀色)が曲がって組まれている物もあります。突き出している銀色の部品がビミュ~~に曲がっているのがお分かりでしょうか。

12.JPG



13.JPG当初、シャフトが曲がっているのかなと考えましたが、銀色の部品のネジ山が真っ直ぐに切られていない為、曲がって入ってしまうようです。ここが曲がってしまうと、バルブボディ側とのクリアランスが狭くなり、スムーズに上下しなくなります。この部分もネジ山を修正して真っ直ぐにネジこまれるように修正しました。


14.JPG番外編として、ガス漏れ修理の為にバックプレートを開けたところ、内部から正体不明の「何か」が出てきました。最初見た時は「ギャー!人の爪が出てきた」とかなりビビリましたが、その後、他のマガジンでも同じ物が出てきたので「爪」ではないようです。
じゃ、一体こいつは何なのかというと不明です。
ロストワックスの蝋でもなさそうですし...、もしかするとロックタイト(ネジの緩み止め材)の残りがガス圧によって、内壁に押し付けられて固まったのかもしれませんが、正確なところは分かりません。どちらにしてもガスタンク内で、こいつがウロチョロしてるのは、何だか気持ち悪い(破片が更に細かく割れた場合、最終的には銃口から飛ぶ事もあり得ますし)ので、当店で作業する際に見つけた場合はゴミ箱へポイしてます。

15.JPG


以上のように、シンプルな構造のガスボルトライフルなので、そんなに大変な作業は無いでしょう、という甘い考えは見事に打ち砕かれるDSR-1でした。
そうは言っても国産メーカーではラインナップに無い機種で存在感も抜群ですし、実射性能の低ささえ、改善出来れば一生モノの価値はある機種です。
インナーバレル、チャンバーパッキンは「電動ガン規格」にしろ「VSR規格」にしろ、基本設計の優秀さは十分に実証されているパーツが使えますので、しっかりと手を加えてあげれば見違える程の実射性能に生まれ変わります。
お持ちのDSR-1の実射性能に納得が行かない、という方はお気軽にお問い合わせ下さい。


KEN


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タグ :ARESDSR-1VSR

2013年04月24日

TOP M4EBB用カートキャッチャー製作




1.JPG今回の作業はTOP製M4EBB用のカートキャッチャー製作です。お客様から内部カスタム作業と同時に「カートキャチャーが欲しい」というご依頼を頂きました。市場で流通している物も調べたのですが、どれも汎用品の為、デザインがイケてなかったり(取り付け方法含めて)、ショットガン用の為、サイズが合わなかったりしましたので専用設計で製作する事になりました。メインとなる本体部分はカイデックス板を使いBOX状に製作、ポーチ部分はナイロン生地で製作してあります。専用設計の利点は「汎用性を考慮しないかわりに、より一層性能を突き詰める事が出来る」ところですので、機能や取り付け方法を含めTOP製M4EBB用に特化してあります。

2.JPGライブカート式なので、ジャムは少なからず発生しますし、その際のリカバリーも含めてEBBシリーズの醍醐味かと思います。通常のカートキャッチャーですと、エジェクションポート周辺は見えなくなりますし、ジャムったカートを取り出す際も毎回カートキャッチャーを外す必要があります。まずはこの点を改善する為に一面のみをPET樹脂で製作しました。こうする事でエジェクションポートが見えるようになりますのでジャムを起こした際の把握も容易になります。またこの部分はスライド式になっておりジャムったカートを指で取り出す事も可能です。
3.JPG

4.JPGエジェクトされたカートがカイデックス板に当たると「カチャカチャ」と音がするので、裏面にフェルトを貼ってあります。

5.JPGポーチ部分はジッパー式なので溜まったカートの取り出しも簡単です。

6.JPG今回、一番悩んだ点が大きさです。お客様からは「150発位入るポーチが欲しい」というご依頼でしたが、150発入る大きさにすると結構な大きさになり、見た目も美しくありません。「状況に応じてポーチの大きさを可変出来れば便利じゃん!」という事でポーチ部分を別パーツで作りジッパーで連結式にしました。こうする事でシステマチックに構築可能な「トランスフォームカートキャッチャー」が完成しました(笑)

7.JPG最もコンパクトなSサイズです。

8.JPG中間のMサイズです。

9.JPG大きめのLサイズです。ポーチ部分を付け足す事で大きさ(長さ)は無限大に拡大可能ですが、どんどんと細長くなってしまい見た目が悪くなります。この位の大きさがあれば余程の状況で無い限り、事足りると思います。

10.JPG専用設計という事で、取り付け方法も極力スマートに完結出来るように作りました。汎用品の場合「ヒモで縛ってくくり付ける」、「ベロクロでくくり付ける」といった方法になりがちですが今回はTOP製M4EBB専用設計ですので、フロントピボットピンとダストカバービンを利用して取り付ける構造にしてあります。色々な取り付け方を考えたのですが、この方法が余計な出っ張りも無く、強度も確保出来、見た目もスマートかなと。完全にゼロからの設計&オールハンドメイドだったので時間が掛かりましたが、「痒いところに手が届く」カートキャッチャーが作れたかなと思います。
11.JPG



KEN


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タグ :TOPM4EBB

2012年12月09日

★ SG1用 削り出しトリガー製作

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1.JPG本日の作業はSG1用の削り出しトリガー製作です。SG1本体は3年程前に当店で作業させて頂いた物ですがこの度、お客様から「SG1にPSG1スタイルのトリガーを付けたい」というご依頼を頂きました。SG1はVer2メカBOX、PSG1はVer4メカBOX、という事でトリガーの軸の位置が違う為、互換性は全くありません。(そもそもスイッチの接点形状が違うので例え、軸の位置が合っていても移植はかなり難しいと思いますが...)
色々と検証した結果、「ワンオフで作るしかない」という結論に至り、ステンレス削り出しのトリガー&アルミ削り出しのトリガーシュー、というバブリーなアイテムが完成しました。
純正トリガーは亜鉛ダイキャスト(金型)ですので、そもそも削り出しで形状を再現出来るのか(特に軸周辺)、という不安はありましたが刃物を当てる角度や工程を工夫する事で解決しました。今回、作業を依頼した加工屋さんは「削り出し加工専門」で、ウン千万もするマシニングセンターが20台以上ありますが旋盤は一切無い、という非常に男気溢れるストイックな加工屋さんです。
2.JPG


3.JPG今回のトリガーは単純に「出来上がっているパーツ」の寸法をトレースすればOK、という訳ではなく、メカBOX内部に入り込む軸周辺はSG1の寸法、露出するトリガー部分はPSG1の寸法になりますので、お互いの形状を破綻無く合成する必要がありましたので、このあたりの作業が一番大変でした。トリガーシューもアルミ削り出しで製作しましたが、トリガー本体同様に「型モノ」で作られている物を削り出しで製作するのは色々と苦労しますね(泣)お客様と相談した結果、今回は着色はせずに、あえてそのままで組み込みましたがステンレスとアルミの色味の違いが出ていて「これはこれでアリかな」と思います。



4.JPGお客様のご依頼があり、作業させて頂きましたが考えてみるとSG1用のPSG1スタイルのグリップは販売されていますが、トリガーって聞いた事がありません。ひょっとすると意外に需要があるパーツかも知れませんね。(ちなみに電動ガン2丁分程のお値段ですが...)
当店ではこのようなワンオフパーツの製作を承っておりますので「こんなパーツが欲しいんだけど、売ってないんだよなー」という場合はお気軽にご相談下さい。



KEN


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タグ :SG1

2012年10月11日

マルイ MC51修理&カスタム作業




1.JPG本日の作業はマルイ製のMC51です。比較的コンパクトサイズでありながら装弾数が多い(多弾数マガジンで500発)のでゲーマーの方には根強い人気がある機種です。お客様からのご依頼内容としては「以前、他のショップでカスタムした物だが動かなくなったのでオーバーホール&修理したい」という事でご依頼頂きました。まずは症状の確認の為、バッテリーを接続してトリガーを引いたところ、通電はしていますが駆動系がロックしているようで動きませんので分解作業に入ります。
2.JPGまずはモーターを取り出す為にグリップエンドを外したところ、モーターへの接続はハンダ付けされています。通電性を少しでも上げる為にハンダ付けしたのかな(実際にはこの部分のみをハンダ付けしても性能的には一切変化はありませんが)と考えましたが、違うようです。元々付いているモーター端子の根本が残ったままの状態でハンダ付けされていますので、おそらくは「分解してたら折れちゃったから」というのが真実のような気がします。モーター端子に関しては以前、こちらの記事(G&P製 M4RAS編)でも書きましたが、一度、L字に折り曲げたモーター端子は曲げ直してはいけません。L字のままだと分解/組立ての際にグリップの穴を通しにくいので真っ直ぐにしたい気持ちは分かりますが、これを数回繰り返すと「ポロッ」と折れます。しかもこの部分は熱収縮チューブが被さっているので折れても意外と気付きにくいんですよね。

3.JPGメカBOXを分解し各部を点検したところ、ピストンが一番後ろでロックしていました。(分解時に逆転防止ラッチを解除してもピストンが前進しませんでしたので予想はしていましたが)原因を調べたところ、スペーサー(スラストベアリング)の入れ過ぎでコッキング時にメインスプリングが全密着、その後スプリングガイドからメインスプリングがズッコケてしまい、ピストンをロックさせていたようです。内部のカスタム状況を見るとほぼノーマルでメインスプリング、軸受けのみを交換してあります。グリス類も純正のままですので、洗浄や調整等はしないでパーツのみ入れ替えて終わり、というパターンのようです。という事はもちろんピストンヘッドも、純正品です。マルイ純正の場合はピストン内部にヘッド固定用の亜鉛製の錘がありますが、この錘は同時にスプリングにテンションを掛ける為のスペーサーでもあります。今回はこの錘は入ったままの状態に更にスペーサーを入れた事が一番の原因です。もちろん交換したメインスプリングの内径とスプリングガイドの軸径が合っていない事も一因ですが、試しにスペーサーのみを抜いてみたところ、とりあえずは動くようになりましたので一番の原因はやはりこのスペーサーと考えられます。この状態で初速を計測すると約75m/sと非常に低いので、少しでも初速を出そうとして無理矢理、スペーサーを入れたのかな、と。
4.JPG
5.JPG
6.JPG6mmサイズのベアリング軸受けに交換されています。作業された方であればお分かりかと思いますが、マルイ純正ギアのシャフト径は一般的な3mmシャフトよりも若干太いので、ベアリング軸受けは組み込めません。お客様のご要望で「ど~してもマルイ純正ギアにベアリング軸受けを組み込みたい」という場合はシャフトを研磨して組み込みますが、費用対効果を考えるとお勧め出来ません。(6箇所のシャフトを研磨する工賃と強化ギア代があまり変わらないので)今回もシャフト研磨後にベアリングを組んであるのかな、と思いましたが、これもまた違うようです(笑)ベアリングを引き抜こうにもビクともしません。完全にカジっています(泣)これはもはや、「圧入という名の叩き込み」ですね...。ボールベアリングの場合、内径が少しでも太い物を無理矢理入れると、内部のボールが圧迫されて途端に回転がゴリゴリするので、すぐに分かります。こうなってしまうとほぼ、取り外しは不可能ですのでお客様と相談した結果、この部分に関しては今回はそのままで作業する事にしました。

7.JPGいつも通り、全パーツを分解して洗浄します。この作業を行う事で、パーツ本来の状態(問題無いと思っていたパーツにクラックが入っていたり、見た目は汚れていて程度が心配だったパーツが実は非常に状態が良かった、等)が判断出来るので、当店では必須の作業です。
8.JPG意外と知られていませんが、配線も経年劣化して通電性が低下してきます。今回のようにかなり時間が経っている物の場合は配線交換が非常に有効です。良くあるパターンとしては配線の劣化が原因でサイクルが落ちているにも関わらず、そのサイクル低下を補おうとバッテリーの電圧を上げたり、ハイスピードモーターへ交換したり、という間違った対策をしてしまうパターンです。もし、長く使っている電動ガンで最近、随分とサイクルが落ちてきたな、と感じている方は一度、配線を交換してみると良いかも知れませんね。注意点として、配線は本体全ての配線を交換しなければ、ほとんど効果がありませんので、ご注意下さい。当店の定番メニュー「ハイレスポンスコードKIT」はメカBOX部だけではなく、本体全てのコードを交換しますので、はっきりと体感出来るレベルで違いが出ます。個体差もありますが、配線交換だけで秒間2発位の向上は珍しくありません。G3系やMP5系の場合はレシーバーを分解しないと配線交換が出来ないので、ちょっと手間は掛かりますが...。
9.JPG
10.JPG今回は修理作業とオーバーホール作業がメインでしたので必要最低限のパーツ交換で仕上げました。作業後は初速の向上(もちろん例のスペーサー抜きました)はもちろんですが、劣化した配線を交換した事でトリガーを引いてからのレスポンスが大幅に向上しました。


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2011年07月17日

VFC製PDW リポバッテリー加工


本日の作業はVFC製PDWへのリポバッテリー収納加工です。
PDW(パーソナル・ディフェンス・ウエポン)というだけあり、軽量・コンパクトでありながらも充分な実射性能も両立している点は実銃同様です。
当店でもFMCシリーズのライナップとして製作/販売しておりましたが、形状やサイズ等の面で電動ガン用に特化したLIPOバッテリーの登場によりPDWのようなコンパクトサイズの本体にも収納出来るようになりました。※この加工はコンプリート本体ご注文時に指定して頂ければ追加料金¥3.500にて承っております。




当店ではPDWへ収納する場合はET-1製7.4V/800mA(最近、800mAは廃盤になり700mAへ変更になったようです)を推奨しております。バッテリーメーカー各社より同じようなサイズのバッテリーも販売されていますが外寸は全て微妙に違いますので今回のPDWのような、収納スペースにそれ程余裕が無い機種は要注意です。パッ見た感じで同じ大きさでも実際にはビミョ~に干渉して収納出来ない、なんて事もあり得ます。





まずはアウターバレルを引き抜きます。PDWの場合、ハンドガードレール下のネジ1本で簡単にアウターバレルだけが引き抜けます。この工程はバッテリー交換の際にも行いますので、この簡単さは非常に有り難いです。





アウターバレルの上面をフラットに削ります。収納スペース的にはこの加工を行わなくても収納可能ですが、VFC製PDWのアウターバレルは実銃同様に手間の掛かるティンプル加工が施されています。このティンプル加工のエッジの部分でLIPOバッテリーを傷付けてしまいますので当店ではこのような加工を行っています。





ハンドガード内へLIPOバッテリーを収納する場合、配線も変更します。
通常、当店のFMCシリーズには高い通電性のテフロンメッキコードを採用していますが、PDWへLIPOバッテリーを収納する場合に限りハンドガード内だけは柔軟性のあるシリコンコードを採用しています。バッテリーの収納スペースが比較的狭いので(というよりも本来、入らない部分へバッテリーを入れている訳ですから当然と言えば当然ですね)配線にも柔軟性が要求されます。





以上の工程を行う事で7.4V/800mAバッテリーが全く違和感なく収納出来ます。収納時のポイントとして、コネクターの位置が最も重要なポイントです。ずばり、コネクターはこの位置(左斜め下)以外では収納出来ません。この位置以外で無理やり入れようとすると必ず被覆を傷付けてしまいますのでここは重要です。LIPOのショートはコワイですよ~(笑)






裏技としてはイーグル製の「ミニ2P」コネクターを使う手もあります。
皆さんお馴染みの「2Pコネクター」(※ディーンズTYPE)の小型版です。かなり小さいので性能的に心配になりますが通常サイズと同様に板バネによる圧着&充分な接触面積がありますのでむしろミニコネクターよりも数段上の通電性能の持ち主です。但し、本家の「ディーンズ製」と違い樹脂部分の耐熱性が若干低いのでハンダ付けの際は短時間で手際良く作業しないと樹脂部分が溶けてきます(笑)コツとしてはある程度のワット数(60W位)のコテを使い一瞬で作業を終わらせる事です。安いコテを使うといつまで経ってもハンダが乗らず、樹脂部分が先に溶けてきますので…。無事(?)に取り付けさえ出来れば純正のミニコネクターよりもかなり小さいので収納する際のコネクターの位置に手こずる手間もだいぶ軽減されます。


ken